イラストレーター兼アートディレクター / デザイナーのAkyuum氏の作品を3テーマに分けご紹介していきます。
最後の3回目は " Animal stories "
Animal stories
人間も動物である、ということにふと気づくことがあるみたいに、ふだんわたしたちはなにか特別な存在のようにおもっていることがあるとおもいます。ただ、自分とはどこにいるのかあいまいで、大勢のひとのなかに紛れていると自分が何者であるかわからなくなったり、うつろう時間のなかで他人を羨んで別の人間に生まれ変わりたいなんて思ったりすることもあります。
人間か動物か、男か女か、ロボティクスか、とか、出身は?所属は?パリピ?オタク?見たままの情報に翻弄され人と人との関係性が複雑な現代社会に生きるからこそ、シンプルな表現で共有したいとおもいます。かつて、鳥獣戯画という世俗を擬人化して戯れる文化がありました。それがなぜ動物なのかわかりませんが、現在は漫画やアニメやイラストレーションに変化しているとおもいます。
筆や巻物から置きかわり、ペンとノートから生み出される線や色は鳥獣戯画の時代から、遥か何千年もたった現在でも人々を熱狂させる表現手段であることに興奮します。わたしたちの生きる日常には困難なことがたくさんおこりますが、忘れたくないのは、その隣にそっと小さな幸せのかけらが転がっていることに気づくことです。それがわたしにとっては線や色を紡ぎだすことであり、支えてくれる人々です。
どんなささいなことだってすばらしくて、動物たちの戯画のようになんでもないけど劇的で明日に繋がっていると思います。
Akyuum
Detail
サイズ:W40×H44cm Handle 46cm
ポケット:2 (outside 1 / inside 1)
マテリアル:Cotton
プライス:¥4,400 (tax included)
- Profile -
空想リアリスティックをコンセプトに、写実性と一見よくわからないような不思議な創造性をブレンドする独特の発想で注目を集めているイラストレーター。
また、彼は今のところ素顔を出すことはなく自身の絵でアーティスト写真のかわりにするなどミステリアスな感じになっていますが、キャリアは長年にわたりインハウスのアートディレクター / デザイナーとしての素顔があり、そこで感じる既存の枠への迷いや、はみだした思考を創作への原動力としています。自身の内面を日常から感じる感覚だけをたよりに捉えていくイラストレーションやドローイングなどの手法は答えやゴールはありませんが、小さな子どもが頭の中にあるものをたよりに、クレヨンで画用紙に描きだすように作品を生み出しています。
グループ展「Trial&Error」
2000年 多摩美術大学グラフィック学科卒業
NHKデジタルスタジアム入賞(映像作品)
会社員 アートディレクター / デザイナー
2014年 イラストノート15回 ノート展審査員賞
2018年 グループ展 タンバリンギャラリー「Human Museum」
2019年 グループ展 タンバリンギャラリー「Human Museum」
2021年 イラストレーション・ザ・チョイス入選
2022年 イラストレーション・ザ・チョイス準入選